カーテンの生地は椅子張りに使えるのか?生地の丈夫さにランクはあるのか?など、日本の場合インテリア用ファブリックを品質で選ぶ方法は明確ではありません。海外では室内装飾品(ソファー、椅子、カーテンなど)に使用されるテキスタイルの摩擦による耐久性を評価するマーチンディール法による数値表示があります。現在、EU 規格、ドイツ規格、英国規格は、国際標準化機構の規格に相当しています。この表記は海外において一般的な生地の摩耗強度の目安となっていますが、日本ではあまり馴染みが無いようです。
マーチンデール法によって計測された数値 |
評価の目安 |
6,000~10,000 | 室内装飾品には向かないと考えられています |
10,000~15,000 | 軽度な使用に耐えられる家庭用と考えられています |
15,000~25,000 | 一般的な家庭用と考えられています |
25,000~30,000 | オフィスなどに使用が出来ると考えられています |
30,000以上 | ホテルなどの商用、公共施設の利用に適していると考えられています |
それでは弊社取扱いの海外ブランドのファブリックを例に数値を見てみましょう。
イギリスMORRIS & Co.のRUSKIN WEAVES 100%リネン素材のインテリアファブリックコレクション30点は、摩耗強度30,000で耐摩耗性に優れた生地であることが分かります。
MORRIS & Co.(イギリス)のイチゴドロボウは摩耗強度20,000で家庭用のソファー生地にも使用できるレベルです。このシリーズの他のコットンプリントも同じレベルです。
LIBERTY.(イギリス)FABRICSのイチゴドロボウはMartindale40,000でホテルなどの使用に耐えられる高品質レベルです。この生地はビンテージベルベットと呼ばれ、イタリアでプリントされています。使用されている素材ビスコースは、木材パルプに含まれている繊維質(セルロース)から作られた再生繊維でシルクのような質感が特徴です。
RUBELLI(イタリア)のCuba LibreはMartindale20,000で一般的な家庭用レベルです。特筆すべき点はリサイクル繊維を使用している点で、環境に配慮した繊維で作られています。
日本においては、耐久性の高い生地の判断は難しいようです。安易にSNSやYoutubeなどの評価に頼っても品質の保証はできません。海外ではマーティンデール摩耗試験を通じて、製品の品質と消費者の利益を確保する目的と、廃棄などの資源の無駄を削減することでブランドイメージを向上させる働きがあるようです。
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